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投稿:2016年06月27日

【情報ご提供資料】 「英国の国民投票 EU離脱多数となった影響と金融市場について」

【情報ご提供資料】「英国の国民投票 EU離脱多数となった影響と金融市場について【フォーカス】」
: 三井住友アセット(PDF版はこちらをご覧ください。 342KB)



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英国の国民投票 EU離脱多数となった影響と金融市場について【フォーカス】
2016年6月24日


EU離脱観測の⾼まりから冷静さを失った⾦融市場 EU離脱観測の⾼まりから冷静さを失った⾦融市場
 英国のEU(欧州連合)残留か離脱かを問う国⺠投票は、23⽇午後10時(⽇本時間24⽇午前6時)から開票が⾏われ、離脱⽀持が僅差で残留⽀持を上回り、過半数に達しました。
 英国の離脱⽀持と残留⽀持が拮抗する⼤接戦が続く中、残留⽀持派が優勢とされていた⽇本時間の24⽇朝⽅までの⾦融市場は、リスク選好的な動きとなっていましたが、開票が進むにつれ、離脱⽀持派のリードが伝えられると、それまでの反動も加わり⼀気にリスク回避姿勢が強まる展開となりました。
 24⽇の東京外国為替市場では、安全資産とされる円に投資家の資⾦が逃避し、⼀時1⽶ドル=99円台まで急騰したほか、その他の主要通貨に対しても全⾯⾼となりました。中でも、英ポンドに対しての上昇幅が⼤きくなりました。また、同⽇の⽇本株式市場は、⽇経平均株価が⼀時15,000円を割り込む急落となり、アジア株式市場も軟調な展開でした。

「離脱多数」の結果
 英⾸相は国⺠投票で離脱が決まれば、EU⾸脳会議に離脱意思を告知します。EUの基本条約であるリスボン条約第50条における離脱⼿続きを開始します。この条約では、「加盟国は憲法上の要請に従いEUを⾃主脱退することが可能である」と規定しています。
 実際の離脱は離脱協定の発効、ないし離脱意思の通知から2年が経過した場合であり、それまでの間、英国は引き続き「EUの加盟国」ということになります。離脱についての決着はこの2年より更に延びる可能性が⼤きいとみられています。

世界経済への影響を冷静に評価することが肝要 世界経済への影響を冷静に評価することが肝要
 EUからの離脱は国際経済・政治の枠組み変化であり、⾦融市場で先⾏きに対する不安感から、リスク回避姿勢が強まり、リスク資産から安全資産などへの資⾦移動が当⾯の間続くものとみられます。
 しかし、今回の問題はリーマン・ショック時のように、もともと経済・⾦融活動の中で⽣じた⼤きな不均衡があって発⽣したものではなく、経済的には⽐較的安定していたところに政治的なショックが加わったと⾒た⽅が適切であり、今後、英国経済および世界経済にどのような影響があるのかを冷静に評価することが肝要です。
 英国については貿易⾯や直接投資、⾦融など影響は多⽅⾯に及び、成⻑率には明確なマイナスの影響が出ると考えられます。また、EUも貿易⾯などを通じた経済への悪影響が懸念されます。世界経済への影響も不透明な状況です。ただし、世界経済を牽引する⽶国経済が個⼈消費を中⼼に堅調に推移していることや、英国は世界第5位の経済規模とはいえ、世界のGDPに占める割合は4%弱(2015年時点)であることなどを踏まえると、世界の経済成⻑率を⼤きく下押しするものではないと考えられます。
 なお、世界経済という観点からは、企業⼼理悪化を通じてユーロ圏の景気をどの程度悪化させるか、英ポンド・ユーロがどの程度下落し、⽶ドル、円、⼈⺠元といった他の主要通貨間の為替レートにどの程度波及するかなどが注⽬されます。

(ご参考)過去のギリシャのユーロ離脱懸念の際の市場の動き
 欧州では、過去においてギリシャのユーロ離脱懸念が強まり、世界的に⾦融市場の変動性が⾼まった局⾯がありました。それは2012年5⽉の総選挙と6⽉の再選挙の際でした。総選挙ではギリシャの主要各政党が過半数を獲得できずに、再選挙となりましたが、その際、EU⾸脳などがギリシャの再選挙は、同国がユーロ圏に残るかどうかの国⺠投票であるとの認識を⽰していました。
 今回の英国のEU離脱における影響が不透明な中、単純に⽐較をすることはできませんが、ギリシャのユーロ離脱懸念というショックの際の⽇本株式と円相場の動きを振り返ることは、今後の市場の先⾏きを考える上で参考になるものと考えられます。


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