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投稿:2016年06月29日

【情報ご提供資料】 「日本株式市場の現状と今後の見通し」

【情報ご提供資料】「日本株式市場の現状と今後の見通し【デイリー】」
: 三井住友アセット(PDF版はこちらをご覧ください。 623KB)



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日本株式市場の現状と今後の見通し【デイリー】
2016年6月28日


1.英国の欧州連合(EU)離脱で日本株式は下落
 6月23日の英国のEU「残留」か「離脱」かを判断する国民投票の影響を真っ先に受けたのが日本の金融市場でした。24日に明らかとなった「離脱」優位の流れは、リスクオフの流れを強め、ドル円レートは一時100円を割り込む大幅な円高となりました。
 日経平均株価も大きく下落し、年初来安値を更新しました。
 週明けは、一段のポンド安の進行や金融株の下落から欧米株式市場の調整が更に進むなど、金融市場の混乱が改めて懸念される事態となっています。

2.欧州の不透明感は当面続く見込み
 今後、英国とEU間で離脱手続きが協議されますが、EU側は厳格な態度で対応する姿勢を示しています。現時点では協議の推移については不透明で、域内の経済や企業活動にどのような影響が出るかを見通すことが難しい状況です。
 英国内も混乱がうかがわれ、現政権の保守党、野党の労働党内での亀裂が表面化しています。スコットランドや北アイルランドが英国からの独立を求める動きが高まる可能性もあります。大手格付け会社は英国国債の格下げを発表しました。
 このように「離脱」の衝撃を受け、当面、欧州では不透明感がぬぐえない状況が続く見通しです。

3.最大の注目点は通貨
 日本株式市場にとっての最大の注目点は「通貨」です。通貨変動を通じて日本経済にも影響が及ぶ可能性があることに加え、通貨の変動によって投資家センチメントが動揺するリスクがあるためです。
 今回の、英国のEU離脱は「リスクオフ」要因と考えられるため、安全資産と認識される円には資金が流入しやすく、円高傾向となりました。ただし、「リスクオフ」でも、原因が欧州発であるため、円だけでなくドルにも資金が流入すると見られます。この点では今後円だけが独歩高となるリスクはそれほど高くないと見込まれます。
 今後のドル円については、むしろ、米国経済、とりわけ7月8日に発表される雇用統計が注目されます。市場では、英国のEU離脱を受け、しばらく米国の利上げは難しいとの見方が増えています。この外部要因の悪化に加え、米国の雇用統計が下振れすれば、米国景気の先行きに対する不透明感が高まるため、更なるドル安円高要因となります。
 雇用も含め米国経済は依然として緩やかながら拡大過程にあると見られることに加え、日本の追加金融緩和が期待できるため、100円を大きく割り込んで円高が進むリスクは限定的と見込まれます。

4.株価下落の歯止めとなる材料も
 急激な円高や世界同時株安の影響を受けて大きく下落した日本株式市場ですが、業績のモメンタム(リビジョン・インデックス)やバリュエーションからは一定の歯止めが期待されます。
 日本株式のリビジョン・インデックスを見ると、依然マイナス圏ですが、底打ちから反転の兆しがうかがえます。また、日経平均株価の株価収益率(PER)は、急激な下落を背景に、再び「割安ゾーン」に入りました。
 懸念材料は企業業績の悪化です。円高が進行すれば、業績が下方修正される可能性が高く、この点で市場が落ち着くまで不安定な状況が続く可能性はあります。

5.今後の見通し-待たれるカタリスト
 日本株式は、今後数カ月間外部環境の不透明感を背景にボックス圏での推移が想定されます。日米の経済指標や金融政策、財政刺激策の規模と内容に注目する必要がありそうです。
 7月6日の米国雇用統計は15万人程度であれば、年内利上げの可能性を維持できると見られます。この場合、円高進行リスクが抑制されるため、日本株にとっては追い風となります。
 一方、日本では、追加金融緩和や財政の支出規模拡大の可能性が一段と高まっていると考えます。これらにより、景気や企業業績への見方が改善すれば、徐々に相場の上昇が展望できる状況になると見られます。

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