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投稿:2016年07月15日

【情報ご提供資料】 「「アジア」マクロの魅力を再評価(2) -経常収支、対外債務の改善-」

【情報ご提供資料】 「アジア」マクロの魅力を再評価(2)
-経常収支、対外債務の改善- 【デイリー】

: 三井住友アセット(PDF版はこちらをご覧ください。 579KB)



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「アジア」マクロの魅力を再評価(2)
-経常収支、対外債務の改善- 【デイリー】

2016年7月14日

本レポートでは、英国の欧州連合(EU)離脱選択を受けて、今後のアジアをどう見るかを3回シリーズでお伝えしています。 「Brexit」(英国のEU離脱)のショック直後、アジアの金融市場が比較的安定していた背景として、多くのアジア諸国・地域では、経常収支の改善、短期対外債務残高の減少により、通貨が安定する土台ができていることが挙げられます。第2回のテーマは、アジア諸国の経常収支及び対外債務の改善です。


主要アジア諸国・地域の多くは経常収支が黒字
新興国経済の健全性や通貨の安定性を計るものさしとして、経常収支は代表的な経済指標です。経常収支が赤字の場合、直接投資を加えて見るケースが多いようです。直接投資は、安定的な資金供給と考えられるためです。
主要アジア諸国・地域の経常収支、直接投資の対GDP比率について、過去と現在を比較してみます(図表1)。
1997年のアジア通貨危機以前は、主要国・地域の多くが経常収支が赤字でした。また、その赤字と比べて直接投資の金額が大きくない国があり、全体としてみると、経常収支の赤字が安定的な資金により賄われていたとは言い難い状況でした。この脆弱性を投機筋に狙われ、アジア通貨危機が発生しました。
しかし、アジア通貨危機を経験した後、主要国・地域の多くは、活発な輸出を通じて経常収支が黒字に転じました。2015年には、主要国・地域の多くで、経常収支と直接投資を加えたGDP比率がプラスとなっています。
なお、インドネシアは同比率がわずかにマイナスですが、経常収支の赤字は小さいため、大きな問題になる可能性は低いと見られます。


外貨準備高に対する短期対外債務残高が減少
次に、主要アジア諸国・地域の外貨準備高に対する短期対外債務残高の比率の推移を見てみます(図表2 )。この比率は、国全体の短期の借金の割合(資金繰り)を表します。
1995年末時点では、韓国、インドネシア、タイ、ベトナムで同比率が100%を超えていました。通貨売りの投機にあいやすい環境にあったことがわかります。実際、アジア通貨危機により、韓国、インドネシア、タイの3カ国は1997年にIMF支援を受けるに至りました。
しかし、その後、アジア諸国・地域の多くで同比率が大きく低下しています。短期対外債務残高への依存度が低下していることで、過去のような通貨売りの投機の対象になりにくくなっていることがわかります。
なお、マレーシアは同比率が2015年末に87.4%と、比較的高水準ですが、マレーシア企業がシンガポールなど海外の現地法人・支店から資金調達した場合も短期対外債務残高として計上しており、見掛けの数値が高くても、安定性に問題がある訳ではありません。

次回のテーマは、アジアの財政・金融政策とアセアン、インドなどを中心としたアジアの成長性についてです。

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