【マーケットレポート-インド】
「モンスーン」、引き続き降雨は順調(インド) 【キーワード】
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「モンスーン」、引き続き降雨は順調(インド) 【キーワード】2016年8月17日
<今日のキーワード>
「モンスーン」とは、もともとアラビア語で半年交代で向きの変わる風を指します。南アジア・東南アジアでは夏季の南西風がもたらす雨季のことで、インドでは6月中旬から9月の雨季を「モンスーン」と呼びます。インドは、農村人口が多く、農産物の作付に大きな影響を与える「モンスーン」の降雨状況は経済や金融市場に影響を与えます。このことから、「モンスーン」の降雨予報と実際の降雨量に注目が集まります。
【ポイント1】「モンスーン」の降雨は引き続き順調
累積降雨量は、6週間連続平年比プラス■インド気象庁が8月11日に発表した8月4日から8月10日までの降雨量によると、6月1日からの累積降雨量は、平年を3%上回り、6週間連続で平均比プラスとなりました。
■夏作物生産にとって最も重要な7月の月間降雨量は、スカイメット(民間気象予報会社)の予想と一致する平年比+8%でした。8月もこれまでのところ、同+12%とスカイメット予測(同+13%)と概ね一致しています。因みに同社は、9月(同+23%)にかけて加速的に多雨に向かうと予想しています。
【ポイント2】政策金利は据え置き
引き続き緩和スタンスは維持■インド準備銀行(RBI)は8月9日の金融政策決定会合で、市場予想通り政策金利(レポ金利)を6.50%に据え置きました。インフレ率は、前回会合(6月)と同様、「リスクはアップサイド」としました。
■しかしながら、RBIは「引き続き緩和的なスタンスを維持する」との表現を維持しました。背景には、「モンスーン」の多雨が続くことなどから、年後半にかけてインフレが鈍化すると見られることがあるようです。
【今後の展開】RBIの利下げ期待が高まる■2017年3月にかけて利下げ実施へ
金利引下げに慎重なラジャンRBI総裁の退任後は、金融政策のスタンスがハト派の方向に振れると見込まれます。インフレが鈍化するため、RBIは利下げを実施すると見られます。
■順調な「モンスーン」で経済成長が加速
RBIは、2017年3月期GDP成長率が前年同期比+7.6%と2016年3月期の同+7.2%から加速するとの見通しを維持しました。順調な「モンスーン」が農産物生産量増加を通じて地方需要を拡大させることと、第7次給与委員会勧告に基づく賃上げを受けて消費が堅調に推移するとの見通しが背景にあります。
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