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投稿:2016年08月24日

【マーケットレポート-豪州】 上昇する「豪ドル」相場(豪州) 【キーワード】

【マーケットレポート-豪州】
上昇する「豪ドル」相場(豪州) 【キーワード】
: 三井住友アセット(PDF版はこちらをご覧ください。 572KB)



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上昇する「豪ドル」相場(豪州) 【キーワード】
2016年8月24日

<今日のキーワード>
オーストラリア(豪州)は先進国であると同時に、世界有数の資源国でもあります。2014年は輸出額の63%を鉱物・資源、そのうちの39%を鉄鉱石で占めました。一方、同年の国別輸出を見ると、トップは中国で全体の34%、続いて日本の18%などとなっています。米国向け輸出は全体の4%を占めるに過ぎません。このような経済・貿易構造を持つ豪州の通貨は、資源価格や中国の経済動向の影響を強く受けます。

【ポイント1】上昇する「豪ドル」の対米ドルレート
金融緩和にもかかわらず上昇

■豪州準備銀行(RBA)は、8月の金融政策決定会合で利下げに踏み切りました。インフレ率が、RBAの目標値である+2-+3%の下限を下回った状態が続いているためです。

■ところが、金融緩和にもかかわらず、「豪ドル」の対米ドルレートは上昇軌道を描いています。豪州の主要輸出品目である鉄鉱石や石炭といった資源価格の上昇が、その要因と考えられます。


【ポイント2】豪州の主要輸出品である鉄鋼石、石炭の価格が上昇
中国での減産などが奏効

■資源価格上昇の背景には、中国の景気対策への期待感、中国にある鉱山の減産があります。

■まず鉄鉱石については、中国の経済対策期待の側面が強いと考えられます。景気刺激策による需要の盛り上がりを期待して、鉄鋼市況が好調なことから、鉄鋼メーカーが原料の手当てを活発化させているもようです。

■一方、石炭市況には、中国政府による鉱山の生産能力削減や減産指導が効いているようです。昨年末に中国で開催された中央経済工作会議では、中期的な生産能力の削減目標を5億トン(生産量の13%相当)に設定しました。これは15年の豪州の石炭輸出総量である約3.9億トンを上回る規模です。


【今後の展開】豪日金利差も相対的に大きく、「豪ドル」は対円でも底堅く推移
■RBAは緩和姿勢を維持すると予想されますが、日銀のさらなる緩和観測も根強く、今後、豪日金利差が急激に縮小する可能性は低いと見られます。豪日金利差は、「豪ドル」優位に働きそうです。

■中国経済や資源価格も、堅調な展開を見込んでおり、これも「豪ドル」にとって追い風となります。以上から判断すると、「豪ドル」の対円レートは、当面のところ底堅く推移すると予想されます。

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