【マーケットレポート-ブラジル】
ブラジル:政策金利を1.0%引き下げ9.25%に
: HSBC投信*** *** *** *** *** *** ***
ブラジル:政策金利を1.0%引き下げ9.25%に
一段の⾦融緩和がブラジル株式・債券市場を下支えへHSBC投信株式会社
2017年7月27日
▼ ブラジル中央銀⾏は7月26日(水)、政策⾦利を1.0%引き下げ9.25%とすることを決定
▼ 3会合連続の1.0%の利下げの背景にはインフレ率の大幅低下がある。現地市場関係者は今年末の政策⾦利を8.0%と予想
▼ 当社では⼀段の⾦融緩和が引き続きブラジル株式・債券市場を下⽀えすると⾒る
市場予想通り1.0%の利下げを決定▼ ブラジル中央銀⾏は7月26日(水)の通貨政策委員会(COPOM)で、市場予想通り、政策⾦利を1.0%引き下げ9.25%とすることを全会一致で決定しました。利下げは昨年10月以来7会合連続で、1.0%の利下げ幅は本年4月、6月に続き3回連続となります。また、政策⾦利が10%を下回るのは2013年11月以来となります。
▼ 連続的な利下げの背景にはインフレ指標の⼤幅な改善があり、6 月の拡⼤消費者物価指数(IPCA)は前年同月比+3.0%と中央銀⾏の目標レンジ(4.5%±1.5%)の下限まで低下しました。インフレ率は2016年1月の+10.7%をピークに急速に低下しています。
▼ 中央銀⾏は会合後の声明で「最近の改革の進捗と経済の調整を巡る不確実性の⾼まりにもかかわらず、経済状況が変わらなかったことが⾦融緩和ペースの継続を可能にした」としています。また、一段の⾦融緩和を⽰唆しながらも、将来の利下げペースについては、経済動向次第としています。
▼ 一方、中央銀⾏が集計した現地市場関係者の予想(7月21日時点)を⾒ると、2017年のインフレ率(IPCA)は+3.3%、2018年は+4.2%とインフレ目標中央値+4.5%を下回る水準での低位安定が⾒込まれています。政策⾦利の予想水準については2017年末に8.0%と、今回の利下げ後も年内にさらに合計1.25%の利下げが⾒込まれています。また、2018年末も8.0%と来年を通じて政策⾦利は据え置かれると予想されています。
当社では引き続きブラジル株式・債券市場を有望視▼ ブラジルでは景気の底入れ、インフレ率の低下、経常収支赤字の縮小など経済ファンダメンタルズが着実に改善しています。
▼ また、テメル政権は積極的に構造改革に取り組んでおり、7月には労働法の改正が成⽴、今後はこれまでの硬直的な労働市場の改善が⾒込まれます。また、テメル政権は、構造改革の目玉である社会保障改革に取り組んでおり、年⾦制度改革を含む社会保障制度改革案が下院で審議中です。但し、テメル⼤統領⾃身を含む政界の汚職疑惑による政治の混乱が改革の進捗に影響を与える可能性があり、今後の政治動向を注視します。
▼ 当社の運用担当者はブラジル株式・債券を引き続き中⻑期的に有望な投資対象と⾒ています。
▼ 株式運用担当者は、一段の⾦融緩和と景気の回復に伴う企業収益の改善が株式市場の上昇要因になると⾒ています。運用においては、収益性とバリュエーションの両面で妙味がある銘柄に引き続き焦点を当てる方針です。
▼ また、当社の債券運用担当者も、財政改革の進捗を注視する一方、インフレ率の低下と一段の⾦融緩和が債券市場を下支えすると⾒ています。
*** *** ***
当資料は、投信委託会社が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、特定の投資信託等の売買を推奨・勧誘するものではありません。