【マーケットレポート-アジア】
アジア通貨の動向(2017年9月)
人民元、インドルピーなど多くの通貨が対ドルで反落【デイリー】
:三井住友アセット(PDF 581KB)*** *** *** *** *** *** *** ***
【ポイント1】人民元が1カ月ぶりの安値
人民銀行が元高けん制の可能性■人民元は、5月の通貨当局の管理強化を契機に対ドルで上昇してきましたが、足元では対ドルで約1カ月ぶりの安値水準に反落しました。米金利の上昇に伴うドル反発に加え、人民銀行が人民元安抑制策の一部を見直したことで、人民元高へのけん制姿勢に転じたとの見方が広がったことが要因です。中国当局が金融の統制を強めるなか、人民元はレンジ内で推移すると見られます。
【ポイント2】ルピーは財政悪化懸念で急落
インドネシアルピアもやや下落■インドルピーは対ドルで約2年ぶりの高値圏で推移していましたが、景気対策の実施報道をきっかけに、財政赤字が拡大するとの見方が嫌気されて急落しました。ただし、経済の高成長を背景にした資金流入から、ルピーは底堅さを取り戻すと見られます。
■インドネシアルピアもドル反発でやや下落しましたが、引き続き横ばい圏の動きです。経済状況の改善から資金流入が続く一方、インドネシア中央銀行がルピア売りの為替介入を行っていることが背景です。ルピアは今後も横ばい圏の動きが予想されます。
【今後の展開】アジア通貨は底堅い動き■9月のアジア通貨市場では、米金利の上昇に伴うドル反発もあり、人民元やインドルピーをはじめ多くの通貨が対ドルで反落しました。ただし、米利上げのペースは緩やかと見られるなか、投資マネーが経済状況の良好なアジアに流入していることから、アジア通貨は総じて底堅く推移すると思われます。
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