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投稿:2017年10月17日

【マーケットレポート-米国】 良好な状態を保つ米国『家計の財務』【キーワード】

【マーケットレポート-米国】
良好な状態を保つ米国『家計の財務』 【キーワード】

:三井住友アセット(PDF版はこちらをご覧ください。 570KB)



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『良好な状態を保つ米国『家計の財務』【【キーワード】
2017年10月17日

<今日のキーワード>
米国の家計が保有する資産、負債の状況は、米連邦準備制度理事会(FRB)が四半期ごとに公表する財務勘定統計で捉えることができます。財務勘定とは、金融機関、法人、家計といった各部門の金融資産・負債の推移などを、預金や貸出といった金融商品ごとに記録したものです。米国では、9月21日に2017年の4-6月期統計が公表されました。それによれば、米国の家計の資産は順調に伸びています。

【ポイント1】家計の正味資産は7四半期連続で過去最高を更新
金融資産や住宅資産の価格上昇が貢献

■総資産から総負債を差し引いた家計の正味資産は、2017年4-6月期末に96兆1,956億ドル(約1京757兆円)となり、7四半期連続で過去最高を更新しました。株価や住宅価格の値上がり等から総資産が111兆4,150億ドル、前期比1.7%増となったのに対し、総負債は15兆2,194億ドル、同+1.0%の伸びにとどまったためです。正味資産を可処分所得(個人所得から、支払い義務のある税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取り収入)に対する比率で見ると、前期の6.64倍から6.70倍に上昇しました。


【ポイント2】資産効果も復活しつつある
正味資産の増加につれ、消費も拡大しつつある

■正味資産の対可処分所得比率と貯蓄率の間には、負の相関関係が認められます。株価や住宅価格が値上がりし、家計の正味資産が増えると、消費が拡大する一方で貯蓄率が低下するという関係です。資産効果といわれるものです。

■住宅バブルが崩壊した2007年以降は、一時的にこの関係は崩れました。ところが、2016年を境に、資産効果が復活しています。すなわち、負の相関関係が復活し、正味資産の対可処分所得比は2012年10-12月期の5.39倍から直近2017年4-6月期の6.70倍まで上昇、貯蓄率は同期間に9.2%から3.7%まで低下しています。


【今後の展開】過剰債務・消費発生の可能性は低く、景気拡大は長期化へ
■家計正味資産と個人消費との関係から判断すると、ひと頃に比べ消費に対する家計のスタンスは前向きになったといえます。もっとも、先に述べた通り家計は負債の伸びを抑制しています。米国の『家計の財務』は良好さを保っているのです。

■住宅バブル期のような、借金に依存した消費の拡大ではないのです。裏返せば、米国で過剰消費、過剰債務が発生する公算は小さいといえるでしょう。この点を踏まえると、米国経済の拡大局面はさらに長期化する可能性が高いと考えられます。

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