【情報ご提供資料】 「インド」の魅力を再考(2) -改革進展による投資と消費の好循環- 【デイリー】
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「インド」の魅力を再考(2) -改革進展による投資と消費の好循環- 【デイリー】2016年7月28日
今年の5月中旬、モディ政権が改革の目玉の1つと位置づける「破産法」が成立しました。経済が安定しているこの時期に改革をどこまで進められるかが、今後のインド経済を左右しそうです。本レポートは、高成長を続けるインドの魅力をお伝えする第2回目です。
破産法の成立等、改革は着実に進展2014年5月にモディ政権が発足し、改革に対する期待が高まりましたが、上院で与党連合の議席数が過半数に満たないため、注目された土地収用法の改正案の審議等が進みませんでした。しかし、ここにきて改革が進展し始めています。
モディ政権は、今年5月に「破産法」を成立させました。世界銀行調査によると、インドの破産処理期間は189カ国中136位の4.3年で、破産処理に相当の時間が必要となっています(図表1)。新しい破産法では、破産処理期間を原則として180日に制限しており、大幅に処理期間が短縮される見込みです。
破産法により銀行貸し出しは増加へ アジアではフィリピンが2010年と12年に破産処理を効率化する法律を制定したところ、銀行貸出の伸び率が加速し、不良債権比率が低下しました(図表2)。銀行の不良債権処理が進展すれば、金融機関の信用供与能力が改善するためです。インドでも同様に、貸出の伸びが加速し、経済成長の追い風となりそうです。
改革による投資と消費の好循環を期待破産法の成立に続き、モディ政権は、今年6月に、民間航空、単一ブランド小売、防衛等の産業に対する直接投資の規制緩和を進めました。更に、物品・サービス税の改革にも取り組んでいます。
インドの改革に伴う成長期待から、海外からの直接投資は今後も順調に拡大すると見られます。インド経済は、「インフレ安定下での消費拡大」というこれまでの成長エンジンに加え、「直接投資拡大による設備投資増加」という新たなエンジンが成長を押し上げそうです。
インド経済は、改革進展による投資拡大が消費の更なる拡大に繋がるという好循環に向かうことが期待されます(図表3)。
堅調な直接投資が経常収支赤字を上回り、ルピーは安定化しやすい新興国経済の健全性や通貨の安定性を計るものさしとして、経常収支は代表的な経済指標です。経常収支が赤字の場合は、直接投資を加えて評価するケースが多いようです。直接投資は、安定的な資金供給と考えられるためです。
インドの経常収支は、15/16年度にGDP比▲1.1%の赤字ですが、直接投資の黒字が同年度に同+1.7%と、上回っています。(図表4)。今後も海外からの直接投資は拡大が続くと見られ、通貨ルピーの安定に寄与しそうです。
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